創業者は常に乱世に輩出する。乱世では組織とか機構とかいう表面的な問題は無視され、人の魅力とか、迫力とかが一番ものをいう。それだけに乱世ほど人間像がくっきりうかびあがる時代はないし、善にも悪にも極めて個性の強い独立不羈(どくりつふき)の人物が続々と生まれてくる。 【伊藤肇、いとう・はじめ。日本の評論家、作家。陽明学者の安岡正篤の弟子。佐高信の師。中国古典に詳しく、幅広い人脈を持った。名古屋生まれ、満州国立建国大学卒。中部経済新聞記者を経てビジネス雑誌「財界」の編集長。主な著書に「帝王学ノート」「十八史略の人物学」「人間学」「現代の帝王学」】
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