日本の金融・証券業界に今求められていることは、コスト構造を変えることです。長い間規制に守られてきたこの業界では、「供給者の論理」を前提としたビジネスが行われ、「虚業」が育成されてきました。私の定義では、「虚業」とは「顧客が求めていないコストで成り立っている商売」を指します。コスト構造を変えるということは、こうした虚業を廃して、「実業」、すなわち「顧客が求めているコストを前提とした商売」に変えていくということです。 【松井道夫、まつい・みちお、第四代松井証券社長、日本郵船・日興証券ロンドン支店を経て松井証券に入社、既存証券会社で最も早く本格的にネット事業に参入、米経済誌フォーブスの日本の富豪ランキングの常連になっている。メディアに数多く露出や辛辣な正論に証券業界以外にもファンが多い。証券業界の異端児と称されている】
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