ある大衆紙に、その記事は載っていた。なんのことはない、ある小さな町の消防隊が2階の窓から煙が出ている家に招集をかけられたと言うだけの話だ。消防隊はなかに突入し、くすぶっているベッドにいた男を発見した。その男が救出され、マットレスに水がかけられると当然のごとく、こんな質問が出た。 「どうしてこんなことになったんですか?」 「わからんよ。気がついたときには、火のついたベッドに寝ていたんだ」 【ロバート・フルガム。米国のエッセイスト。ユーモアなエッセイに定評のある作家。世界的ベストセラー『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』の著者。】
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