情報の相互依存性は、為替市場においても大切な考え方です。相互依存性は一回きりではなく、何度も繰り返されることが特徴です。こちらで発信した情報によって相手の行動パターンが変わる。それがフィードバックされてこちらに返ってくる。こちらもまた判断を改める。このような複雑な相互依存性の中で新しい情報を発信するときは、よほど相手の反応を見極めておかないと、効果が半減してしまうわけです。 【榊原英資 さかきばら・えいすけ。日本の官僚。東京大学経済学部を卒業し、大蔵省に入省。その後ミシガン大学で経済博士号取得。財務長官などを経て、慶應義塾大学グローバル・セキュリティー・センター所長】
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